うつ病の回復期に自殺が多いのはなぜか

私たちの気分は、短調と長調に緩やかに同調します。気分障害やうつ状態の方は、短調に長く固定しているといえるでしょう。

そのため、まったく反対の波長である長調は、不協和音となって心のバランスを崩し、よりつらい状態にさせるのだといわれています。苦しいときは、短調の音楽を聴くと、気分も安定するものです。連続的なリズムも心を落ち着けます。

同じ旋律が繰り返されるラヴェルの「ボレロ」や、海の波の音などが、その代表的な例といえるでしょう。 音楽療法の先生から聞いたお話があります。ある家庭で、学校に行かず引きこもっている子どもを家族が心配して、何とか気持ちを盛り上げよう、気分転換させようと、気の進まぬ子どもを旅行に連れて行ったそうです。旅行中は、子どもにも少し笑顔が見られ、喜んでいる様子だったそうで、家族は「無理してでも連れて行って良かった」と思っていました。しかし、その子は、旅行から帰った次の日に自殺をしてしまったそうです。

このように、本人の気分とは違う変化や刺激を与えることで、余計に気分が不安定になることがあります。音楽療法の先生は、「だから、こうした外的なギャップをくれぐれも与えないように」という禁忌のアドバイスとして、このお話をされたのです。元気づけ方も、十人十色です。愛情や親切のつもりが、大切な子どもの命を失う結果になってしまうこともあります。

心の力動を正しく知ることが、本当に大切です。 躁うつ病の方も、自殺には注意が必要です。うつ状態で落ち込んでいるときは、自殺を実行に移すエネルギーがありません。しかし、躁状態に転じ、外からは元気で行動力がついて疲れを知らないという状態で、家族が気を許したときに、自殺行為を実行してしまう危険が高まります。本当に、心の力動は複雑です。

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