職場のパワーハラスメントは、いったん事案が発生してしまうと、その解決に多大な時間と労力が必要となります。パワーハラスメントが発生しないように、予防対策を講じることが最善の対策です。
最初に取り組むことは、事業主の方針等の明確化と周知・啓発ですが、難しく考える必要はありません。カウンセリングオフィスヒロでは、中小企業は大企業と同様の対策を無理をして取り組む必要はないと考えています。できることからひとつずつ確実に取り組んでいきましょう。
ヒロがおすすめするパワーハラスメントの予防対策
1.まずは就業規則に、パワーハラスメントの禁止のルールを定めましょう!
就業規則本文中に、パワーハラスメントの禁止規定を定め、懲戒規定と連動させる例
(職場のパワーハラスメントの禁止)
第○○条 職務上の地位や人間関係などの職場内の優越的な関係に基づいて、業務の適正な範囲を超える言動により、他の労働者に精神的・身体的な苦痛を与えたり、就業環境を害するようなことをしてはならない。
(懲戒の種類)
第○△条 会社は、従業員が次条のいずれかに該当する場合は、その情状に応じ、次の区分により懲戒を行う。
(略)
(懲戒の事由)
第□□条 従業員が、次のいずれかに該当するときは、情状に応じ、けん責、減給又は出勤停止とする。
(略)
⑥ 第○○条に違反したとき
2 従業員が次のいずれかに該当するときは、懲戒解雇とする。ただし、平素の服務態度その他情状によっては、第○△条に定める普通解雇、前条に定める減給又は出勤停止とすることがある。
(略)
⑩ 第○○条に違反し、その情状が悪質と認められるとき
2.トップから従業員にパワーハラスメント防止の宣言を行いましょう!
企業として「職場のパワーハラスメントはなくすべきものである」という方針を、トップから明確に打ち出すことが重要です。
メッセージの内容は、方針やガイドライン、規程等と厳格に分ける必要はなく、それらをまたがるようなものであっても問題ありません。組織として、そのような方針が明確になることにより、相手の人格を認め、尊重し合いながら仕事を進める意識が育まれます。
組織の方針が明確になれば、パワーハラスメントを受けた従業員やその周囲の従業員も、問題点の指摘や解消に関して発言がしやすくなり、その結果、パワーハラスメントの防止に向けた取り組みが、より効果をあげやすくなります。
トップメッセージ作成のポイント
- パワーハラスメントは、企業のトップから全従業員が取り組む重要な会社の課題であることを明確に発信しましょう。
- パワーハラスメントの防止がなぜ重要なのか、その理由についても明確に伝えましょう。
- メッセージの発信とともに、具体的活動が早期に実施できるよう、準備をしておきましょう。
ヒロのサポート
お忙しい経営者様のために、ヒロがトップメッセージの作成をサポートします。トップメッセージの見本が欲しいという方には、文章のサンプルをお渡しすることも可能です。
※当ページでは厚生労働書が発行しているパワーハラスメント対策に関するパンフレットや対策導入マニュアルより文章を抜粋・引用・要約させていただいております。